読み方はピーエイチかペーハーか
“p.H.”(pが小文字でHは大文字)とはPotential Hydrogen(水素イオン濃度指数)の略称で、溶液の酸性・アルカリ性の程度を表す。室温の水溶液では「7」が中性でそれより数値が低いと酸性、高いとアルカリ性。
この“p.H”をなんと読むかで世代がわかり、そして若者から「?」という怪訝な表情、もしくは冷笑されてしまうことになる。
温泉の勉強会に数回参加して気づいた点として講師の大学教授連は皆さん「ピーエイチ」と発音していた。
高校で理系を選択し大学で物理を勉強した息子に聞くと「中学校で“ピーエイチ”と習った」。
対して、前述の勉強会で受講側質問や発言した年配の方々は「ペーハー」と読む。
ペーハーからピーエイチ変遷
・1909年にデンマークの生化学者セーレンセーレンセンが提案。ドイツ経由で日本に紹介されたため「ペーハー」と読む。
・広辞苑(1955年)と日本産業規格(JIS,1958年)で「ペーハーとピーエイチ」両方併記。
・教科書の用語基準となる学術用語集では1986年から「ピーエイチ」。
・2000年代になると教科書が「ピーエイチ」表記になる。
・広辞苑(2018年)で「ペーハーは旧称」と表記されている。
現在においては、日本の工業規格(JIS)が「ピーエッチまたはピーエイチ」、計量法では「ピーエッチ」のみとなっています。
もちろん私の世代は「ペーハー」で、ほとんどの方々は「ペーハー」と読むが、温泉についての会話においては、“p.H.”をあえて「ピーエイチ」と発音している。
理由は簡単で、「ペーハー」というと素人感が漂い(最近の情報に疎い)、私の世代者が「ピーエイチ」と読むと、素人ではないことを相手(ペーハーと読まない人々)にアピールできるから・・というどうでも良い理由です。 そうなると困るのは他人が自慢げに「この温泉のペーハーは・・」とか語りだすと、いつもの悪い癖で「今はピーエイチですよ」と余計な突っ込みを入れたくなる。「計量法では“ピーエッチ”なんだけどね~」とか。これを我慢するのが辛いので、私の前では「ペーハー」と言わないでね。”(-“”-)”