チルドの純系金アグー豚を愛知県で食せるという奇跡に感謝,“恐れ入りました”だが、余熱調理には少々杞憂。Nの隠れ家(愛知県岡崎市)金アグー豚(沖縄県金武産),みかわもち豚,淡路島サクラマス,天草産くるま海老,北海道産野付産ホタテ貝,山賊焼,岩中豚,白金豚,鹿児島黒豚,阿古(あぐー),島豚(シマクヮー),未変性ミオグロビン,金アグーランチ2,750円,ヘルシーヒレカツランチ1,540円,ロースかつ丼ランチ1210円。“アグー豚”と“あぐー豚”の違い。リスクプロファイルについて互いの確認が必要。

 “カタカナ”表示の「アグー豚」と平仮名の「あぐー豚」が世の中にはあるということを知っておかないと価値観がわかりにくい。
また、その他のブランド豚肉の貴重性を理解して食べると、尚、一層、食事が楽しくなる。
自分が食している料理に使われている原材料がどこからやってきた豚肉なのか関心のない人に当店の良さを理解することができるだろうかという余計な想いから記事にすることにした。
ただし、中心部加熱についての不安感はある。

※原料の産地情報について消費者庁がガイドライン(現在は任意表示)を案内しています。
外食・中食における原料原産地 情報提供ガイドライン
 ↓(公益財団法人食の安心・安全財団ページへリンク)
http://anan-zaidan.or.jp/news/guideline3103.pdf

目次

“カタカナ”表示の「アグー豚」

  3人でランチタイムに訪れた。
私だけちよっと高めのメニューを選択。
理由は“カタカナ”「アグー豚」がいただけるから。
まさか岡崎市でチルドのアグー豚に出会えるとは思ってもみませんでした。
思わず聞き返した。
あぐー豚(JA取り扱いの交配種)じゃなくて“アグー豚”ですよね。
原種系の“金アグー”」「しかもチルドですかっ」。
感激だぁ~。
沖縄(石垣島)に行った時も冷凍の交配種しか食べられなかった。
愛知県のスーパーで販売されているのはJAおきなわが商標登録した「あぐー豚」。
これは何回も購入した。
特にバラ肉の旨味が素晴らしい。
平田牧場の純系金華豚と並んで、私が嗜好する豚ブランドのツートップの一角。

↓ “あぐー豚”でも十分美味しい。

 阿古(あぐー,原種沖縄島豚)


 中国から沖縄に渡来した黒毛の豚で島豚(シマクヮー)
“アグー豚“は三角形の立ち耳と大きな牙が特徴。体形は小柄ながら筋肉質。
体色は黒。沖縄在来種で、戦中~戦後に絶滅の危機に陥るも、1990年代からの保存活動により約7,000頭まで復活(原種は数百頭という説もある)。
デュロックや大ヨークシャー等の西洋種は1頭重量が約200~300kg。
対してアグー豚は約110kgで、アグー豚は重量が少ないのに飼育期間が通常の豚の1.5倍以上と長期に及ぶ。
これが味に特徴をもたらす要因の一つ。
平仮名の「あぐー」はJAおきなわ商標登録品で、在来豚アグーのオスと、LW(ランドレースと大ヨークシャーの交配種)のメスを交配させた豚が「あぐー」。
体色は原種アグーが黒に対して、交配あぐーは白に黒いマダラ模様が入る。

◇“金アグー”豚(沖縄県金武産)

 “金アグー“の産地は“金武”と書いて「きん」と読む、沖縄県国頭郡金武町産。
公益社団法人 沖縄県家畜改良協会でDNA鑑定を行い、琉球在来豚「アグー」の公的証明を受けている。
鑑定済みの雄雌アグー豚から生まれるアグー純血統種
自称ではなく公称という点も評価できるポイント。

◇鑑定済みアグー豚

・沖縄県内で飼養されているもの
・生年月日及び血統が明らかなもの
・繁殖年齢に達しているもの
・DNA調査用の耳介組織の提供が可能なもの
・沖縄アグー豚仮証明豚同士の交配により生産されたもの、沖縄アグー豚仮証明豚とアグー証明豚の交配により生産されたもの又は沖縄アグー豚証明豚同士の交配により生産されたもの
・雌の沖縄アグー豚証明の資格については、協議会で定めた基準に基づき、ミトコンドリアDNAが東洋タイプのもの

 豚の旨みにこだわる金武産の金アグー豚はいろいろな特徴を持つが、その一つとして、飼料“菌体飼料+オリジナル発酵飼料“で育てられているということがあげられる。
その効果として、和牛同様に美味しさの基準値のひとつとされる“脂肪融点“が29.9~33℃の低融点で、通常の豚肉の37℃~39℃と比較して圧倒的な優位性がある(らしい)。
また、旨味成分の遊離アミノ酸が他の豚よりも多く含まれていて、脂身がさっぱりとしていてしつこくないということも特徴のひとつ。
・ヤヒコSR菌入り、ストレス緩和や体質改善、健康促進、発育増進
・もろみ(泡盛を製造する過程で発生する酒粕をリサイクル)、豚を絞る効果、肉の臭みがなくなる。
・トウモロコシの茎や種はアミノ酸の量を増やし、肉の旨みになる
・糖蜜、肉に甘みが出る。(カルシウムが多く含まれている)

★金アグーランチ2,750円。

 (価格は税込、レシート価格による。以下同)

金アグー豚ロースかつ150gと金アグー豚ヒレカツ60g。
茶碗蒸し、豚汁、自家製漬物もつく。タルタルは“大葉”を選択。

 気になるのはこのピンクの肉色。

 赤い肉色のミオグロビンは80度以上の加熱で色が変わる。ピンク外見は加熱されていない?と思われがちだが、熱などによりミオグロビンが変性しても鉄分酸化を引き起こす酸素や外光等と接触していなければ還元状態を維持でき、肉色である赤色のままとなる。
さらに、熱を加えても褐色化しない耐熱性の未変性ミオグロビンが存在することも、肉色で加熱状態を判別できなくしている要因となっている。

しっかりと加熱されているかの判断材料のひとつとして肉汁の色チェックがある。
肉汁の色が透明なら加熱十分で、赤い肉汁が出るようならまだ十分ではないという。
何にしても中心温度の3点測定(大量調理施設マニュアル)をしっかり実施すればより安心できるが、大量調理施設ではない個人店でそこまで要求するのは難しい。 

【参考】
内閣府食品安全委員会加熱と調理「トンカツ編」

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この記事を書いた人

食彩品館がゆく」は食彩品館とTMGP合同記事。
商業施設と観光。時々神社仏閣。日本温泉科学会員、日本温泉地域学会員、温泉観光士,温泉名人検定合格,温泉ソムリエ,温泉分析書マスター。研究テーマは「全国各地の温泉分析書を現地現物確認し、源泉データを温泉地別に比較。温泉地環境と温泉資源の運用方法」
ラーメンソムリエ。

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